月別: 2014年6月

Singletonパターンの罠

インスタンスが一個しか存在しないクラスを書くためのパターンがSingleton Patternです.登場するのはSingletonクラスひとつのみで以下のようなクラス図になります.

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結城本には以下のような感じでサンプルコードが掲載されていました.

Double-checked locking 問題

参考ページ

概要

Fooクラスのインスタンスがただ一つだけするようにSingletonパターンを用いて以下のようなコードを書いたとします.

もし2つのスレッドが同時にgetHelper()を呼んだ場合,同時にインスタンスを生成しようとして,片方が完全に初期化されないままのインスタンスの参照を持ってしまうようなことが起こり得ます.これを防ぐためには,コストは大きいですが同期を取ってあげればよく,以下のようなコードに変更すれば良いです(from wikipedia).

よくよく考えてみるとsynchronizeが必要なのはgetHelper()内の最初のif文のみです.そこでDouble-checked lockingというイディオムが考えられました(from wikipedia).

Initialization-on-demand holder idiom

Double-checked lockingによりsynchronizedにより初回に正しくインタスタンス生成されたあとは同期を取らずにすみます.理論的には申し分ないのですが,これはJavaプラットフォームのメモリー・モデルが原因で,期待通りの動作が必ずしも保証されません.Javaではシングルトン実装のアンチパターンとされています.そこでInitialization-on-demand holder idiomというものが推奨されています(from wikipedi).

Template Method Pattern

だいたいの処理の流れが共通しているとき,それをテンプレートとしてスーパークラスに記述して,個々の具体的処理のみをサブクラスに記述するというパターンがTemplate Method Patternです.

このパターンに登場するクラスは主に2つあります.ひとつは,ひな形となるAbstractClassで,ここにはテンプレート内で行う個々の処理を抽象メソッドです.もうひとつは,それらを使った一連の処理の流れを実装したメソッドです.個々の処理はサブクラスで実装するためにprotectedかpublic修飾子を,それらを使った一連の流れを定義したメソッドは全サブクラスで共通化(テンプレート化)させたいのでfinal修飾子を付けます.クラス図は以下のような具合になります.

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実際にファイルになにかを保存するための一連の流れを想定した例を以下のように書いてみました.

まとめ

  • Template Method Patternはabstract classの有用な使い方のひとつで,「似たような複数の処理の流れ」から共通の性質を見つけ出し,テンプレート化することにより,「似たような複数の処理の流れ」の数が増えたときでも,読みやすいコードが書けるのではないかと思った.
  • ただその「似たような複数の処理の流れ」の共通の性質をしっかりと見抜いて,良いテンプレートを作らないとかえって変更が難しいコードになってしまう危険性も持っているのではないかと思いました.
  • 事例で学ぶデザインパターン 第3回 Template Methodパターン