木組みの街の歩き方: コルマール編

コミックマーケット 91 にて頒布した、ご注文はうさぎですか? 舞台探訪ガイド「木組みの街の歩き方」のコルマール編の一部を切り出したウェブサンプル版です。冊子版のサンプルはこちらにあります。

現在、冊子全体のウェブ公開に向けて作業を進めておりますが、紙媒体の冊子が欲しいという方がいらっしゃいましたら COMIC ZIN さんにて入手可能ですので、ぜひよろしくお願いします。

ウェブ公開する際はまた凝ったデザインなど考えたいなと思いつつ作業しておりますが、ひとまず In Design に流し込んでいたテキストなど諸々を、抽出するついでにテキストと写真の一部だけ、公開します。

※ 写真の無断転載はご遠慮ください。特にキュレーションサイトへの許可なき転載はお断りします。事前にご連絡ください。

街のご紹介

フランス東部、アルザスの都市コルマールは、ドイツとの国境も近く、かつてはドイツ領になったり、フランス領になったりと両国の間で揺れ動いてきた街です。幸いにも第二次世界大戦時に被害を奇跡的に免れたため、旧市街には中世〜ルネサンスにかけての街並みがよく保存されています。

特に、ドイツ文化の影響を色濃く受けた「コロンバージュ」と呼ばれる建物が特徴的です。これは木材で骨組みを作り、その間に石材やレンガなどで壁を作る構造の建物で、その外見はとてもかわいらしいものです。「フランスの花咲く町と村」にも認定されており、街中を流れる運河の欄干や家々の窓辺に飾られた美しい花々もまた魅力的です。

春〜夏にかけて、街中に花が咲き乱れる美しい光景を見にいくのもよいですが、原作3巻(アニメ1期12羽)で登場したクリスマスマーケットで有名な街でもあるため、クリスマスにあわせて訪れても楽しめるでしょう。

またスタジオジブリの映画、ハウルの動く城のロケ地でもあり、映画の冒頭では、コルマールの有名な観光名所であるプフィスタの家にそっくりな建物が登場します。

● Maison Pfister
プフィスタの家
11 rue des Marchands 68000 Colmar
月〜土  10:00〜15:00
日  10:00〜18:00

コルマールへのアクセス

コルマールへのアクセスは鉄道が便利です

パリからTGV(フランスの超特急)でストラスブールまで移動、所要時間2時間半〜3時間。ローカル線へ乗り継ぎ40分ほど。

フランクフルトからICE(ドイツの超特急)でオッフェンベルグまで移動、所要時間1時間40分。ローカル線に乗り継ぎ、ストラスブールを経由しコルマールへ1時間ほど。

コルマール駅から旧市街へ

コルマール駅から旧市街へは1kmほど距離があります。コルマール駅を出て左方向に進むと大きな公園にが右手に見え、そのまま進むとやがて木組みの家と石畳の街が見えてくると思います。そこがコルマール旧市街です。

迷ったときは、街の中心部という意味の CENTRE VILLE という看板にしたがうか、コルマールの観光案内所 Office de Tourisme という看板にしたがって歩いていけば良いでしょう。観光案内所には親切なスタッフの方がいるので、英語が苦手な方でも臆せず質問してみてください。街の地図などもここで入手できます。また、コルマール駅から旧市街までタクシーやバスでの移動も可能です。


● Office de Tourisme
コルマール観光案内所
68000 Rue des Unterlinden, Colmar
月〜土  10:00〜18:00
日  10:00〜13:00
www.tourisme-colmar.com

コルマールの歩き方

コルマール旧市街は治安も良く、1日あれば見て回れるほどの大きさです。

この街に到着したら、まずは街全体をゆっくりと走りながら解説してくれるプチトレインツアー Le Petit Train de Colmar に参加することをおすすめします。日本語での音声ガイドもあり、このツアーだけで、コルマール旧市街の歴史的な背景や観光名所についてざっくりと押さえることができます。

ツアーの集合場所は旧市街のコルマール観光案内所の近く。運転手に声をかけ、お金を支払うとツアーに参加することができます。

プチトレインツアーでどこになにがあるのか大まかに把握したら、ツアー中に気になった場所を訪れてみたり、ごちうさの世界を探して街中を歩き回ってみたりと、思い思いに散策するのがこの街のおすすめの観光スタイルです。

● Le Petit Train de Colmar
プチトレインツアー
3 Rue Kléber, 68000 Colmar
9:00〜18:00 (時期による)
€ 7.00
www.petit-train-colmar.fr

コルマールにある舞台

[ココアと千夜が通う学校] メディアカルチャーセンター

● Pôle Média Culture Edmond Gerrer
メディアカルチャーセンター(公立図書館)
1 Rue de la Montagne Verte, 68000 Colmar
月〜土  10:00〜15:00
日  10:00〜18:00

ココアと千夜の通う学校に比較的似ているとされるのがコルマールのメディアカルチャーセンター Pôle Média Culture Edmond Gerrer です。実際には、2月2日広場 Place du 2-Février に面した場所に建っている公立図書館です。

原作での登場は意外に遅く1巻11話「カウンターココア」にて初めて学校の中の様子が描かれています。原作では5巻までで外観について詳細に描かれているシーンはないようです。アニメでは 1 期 4 羽「ラッキーアイテムは野菜と罪と罰」 12 分 33 秒付近で初めて建物の様子が描かれているほか、アニメ公式ガイドブック「Memorial Blend」 104 ページに美術資料が掲載されているので、現地に行く前に確認していくことをおすすめします。

主な関連シーン:
▶︎ 原作1巻11話「カウンターココア」
▶︎ アニメ1期4羽「ラッキーアイテムは野菜と罪と罰」

[シャロがクレープを売っている] シャン・ド・マルス公園

● Parc du Champ de Mars
シャン・ド・マルス公園
Avenue de la République 68000, Colmar

作中ではたびたび公園が登場しています。原作2巻6話では公園にあるクレープ屋台でシャロが働いています。またココアと青山ブルーマウンテンが初めて出会う場所でもあります。原作 2 巻 8 話では公園で、シャロがウサギに土下座をしたり、ココアが Rabbit Horse と書いたチラシを配布したりしています。

実際にコルマールに存在するシャン・ド・マルス公園 Parc du Champ de Mars には作中に登場する公園に近い形の樹木やベンチ、街灯などが存在しています。またクレープ屋台はありませんでしたが、ジュースや軽食を買うことができる売店は存在しており、コルマール市民の憩いの場となっている広い公園です。ちょうどコルマール駅からコルマール旧市街の観光案内所へ向かうルートの途中にあるため、アクセスもしやすいかと思います。

主な関連シーン:
▶︎ 原作2巻6話「お話をするお話」、アニメ1期6羽「お話をするお話」
▶︎ 原作2巻8話「兎馬へ うぇるかむかもーん!」、アニメ1期7羽「Call Me Sister.」
▶︎ 原作2巻12話「青山スランプマウンテン」、アニメ1期9羽「青山スランプマウンテン」
▶︎ 原作4巻4話「崩れ去る姉デンティティ」、アニメ2期5羽「ひと口で普通のもちもちだと見抜いたよ」
▶︎ 原作3巻8話「スニーキング ストーキング ストーカー ストーリー」、アニメ2期8羽「スニーキング ストーキング ストーカー ストーリー」
▶︎ 原作4巻11話「親父の部下から扉の破壊工作は任せろと電話来た」、アニメ2期10羽「Eを探す日常」

[ラビットハウス風の建物] レストラン シャサール

● Au Chasseur
シャサール
4 Rue du Chasseur, 68000 Colmar
不定休

コルマールで一番ラビットハウスに似た建物と言われているのが、レストラン シャサール Restaurant Au Chasseur です。

建物のおおよその形や立地など作中で描かれているラビットハウスと似た点は多いですが、色調は異なるため、写真を参考に探すと良いでしょう。旧市街の中心部に近い場所にあるため、アクセスはしやすいと思います。

お店の営業日や営業時間は決まっていないようなので、その点については注意が必要です。絶対にこのお店で食事が取りたいという方はコルマールで複数泊することをおすすめします。お店の席には2組ほどのテラス席が、屋内には 1 階と 2 階あわせて 10 組ほどの席があります。テーブルにはアルザス地方でよく見かけるかわいらしいチェック柄のテーブルクロスが敷かれています。これは「アルザスチェック」とよばれていて、街中のおみやげ屋さんで購入することができます。

訪問した日のおすすめメニューは鶏肉を串に刺して焼いたものを3種類のソースで味わうもので、ボリューム満点でした。ほかにもドイツ国境にほど近いアルザス地方らしい料理のシュークルート choucrouteアルザス風パイ Flamiche Munster などがありました。

また、コルマールのあるアルザス地方は、アルザスワインで有名な場所であるため、お酒が好きな方は注文されることをおすすめします。食後にはカプチーノを頼むと良いのではないでしょうか。

建物内部に関してはラビットハウスとは大きく異なっています。橋本監督のツイートから推測するに店内のモデルとなった場所は東京都清瀬市にある「喫茶るぽ」という喫茶店で、こちらもあわせて訪れたい場所です。


チマメ隊がダンスしていた橋

アニメきんいろモザイクの監督の天衝さんが携わり、そのかわいさで話題となった2期EDの映像。その中でもチマメ隊がダンスをするシーン(サビ部)は特に象徴的です。

この背景となった場所がコルマール屋内市場 Marche Couvert de Colmar の近くにある橋です。欄干に飾られた花々と流れる小川、そして木組みの家など素敵な風景が一箇所に凝縮されているコルマールらしい場所です。人気の撮影スポットであるため、時期にもよるかと思いますが、観光客の方が映り込まないように写真を撮るのはかなり難しいと思います。

チマメ隊がダンスをしているシーンに目が行きがちですが、ED の 1 カット目もこの橋を手前に引いた位置で見渡せる場所から見た風景と一致しているので、要チェックです。建物と建物の相対位置や、橋の形状などスクリーショットと比較するとよく一致しており、木組みの家と石畳の街に来た実感を味わうことができると思います。
1 カット目に続き、 2 カット目でも橋を歩いているシーンがありますが、石畳の表情や街灯の有無、うしろにある建物の位置などが食い違っており、こちらはまた別の場所がモデルになっている可能性が高そうです。

また、この橋は実は 2 期 ED 以前にも、1 期 11 羽の時点で登場している場所であるため、そちらのスクリーンショットもあらかじめ用意してから現地に向かうことをおすすめします。夜のシーンとして登場するため、時間帯を合わせて撮影するとなお良いかもしれません。

関連シーン:
▶︎ 1期11羽10分17秒
▶︎ 2期エンディング

[作中の構図と似た場所がいっぱい] 木組みの家と石畳

木組みの家はフランス語ではコロンバージュ Colombages、ドイツ語ではファッハヴェルクハウス Fachwerkhaus とよばれています。これは木材を骨組みに用い、その間に石材やレンガを埋め込み壁を作る建築構造です。フランスやドイツは森林が多く、木材が安価だったために広く普及したようです。

特にドイツには全長3000kmにも及ぶ木組みの家街道 Deutsche Fachwerkstraße という名の観光街道があり、ドイツ文化の象徴的存在のひとつといえます。

コルマールはフランスの街ではありますが、ドイツ領となったり、フランス領となったり、両国の間を揺れ動いていくなかで鮮やかでかわいらしい木組みの家が立ち並ぶようになりました。

原作 1 巻 119 ページには木組みの家と石畳の街のモデルとしてコルマールの名前があがっており、アニメでは1期の時点からコルマールの風景と非常によく似た場所が数多く登場しています。

1 期 1 羽のアバンには街の様子が丁寧に描かれており、実際にコルマールにある場所とほぼ一致するような箇所が多数あります。0 分 28 秒付近の木組みの家の窓についてはマルシャン通り Rue des Marchands にあるレストラン Chez Hansi の窓とかなり似ています。右ページ右下2段目の写真を参考にすると良いと思います。

1 分 4 秒付近の道についても同じ道を少し進んだ場所から振り返った左の写真のような構図と一致します。

また、1 分 7 秒付近の家々が描かれている構図はマルシャン通りとグラン・リュ Grand-Rue が交差する地点の様子と一致します(上写真)。

リゼがフルール・ド・ラパンや甘兎庵でアルバイトをする回であるアニメ 1 期 5 羽の 16 分 48 秒付近の構図は、上写真のように川の形や木の位置、建物の配置などがよく一致しています。グラン・リュからアンシエンヌ・デュアンヌ広場 Place de l’Ancienne Doaune へ抜ける小道を少し進むとこの場所に辿り着けます。

2 期 ED の最終カットによく似た構図はグラン・リュ沿いにあるホテルサンマルタン Hotel St.Martin 付近から北方向を見た右 1 段目写真のような景色に近いです。

また、アニメ 1 期 6 羽で散歩していたココアとチノが、ロゼとすれ違うシーンによく似た構図はポワッソヌリ通り Rue de la Poissonnerie にあるレストラン JY’s 付近からチマメ隊がダンスをしていた橋の方向を向くと右3段目写真のように似たような光景を目にすることができます。

他にも作中に登場したシーンに似た場所がまだまだたくさん隠れているはずなので探しながら歩いてみてください。

コルマールのおすすめスポット

[旧市街の中心部に位置する] ホテル サンマルタン

● Hôtel Saint-Martin
ホテル サンマルタン
38 Grand’Rue, 68000 Colmar
www.hotel-saint-martin.com

旧市街の中心部に位置しており、作中に登場する木組みの家々に似た建物の近くにあるホテルが、ここサンマルタンです。

内装も伝統的なアルザス様式でかわいらしく、清潔に保たれています。スタッフも親切で英語が通じます。チェックイン時間よりも早くコルマールに着いた場合はホテルのスタッフに荷物を預かってもらい散策をすると良いと思います。

WiFi やセキュリティーボックス、冷蔵庫などもあり、とても過ごしやすいのでおすすめのホテルです。

[木組みの街の駅に似ている?] コルマール屋内市場

● Les marchés à Colmar
コルマール屋内市場
13 Rue des Écoles, 68000 Colmar

チマメ隊がダンスをしていた橋のすぐ近くにあるのが、コルマール屋内市場です。ここでは様々な食品が売られていたり、その場で食べたりすることができるお店もあります。

市場の外観や屋根の形などについては、アニメ2期6羽で登場した木組みの家と石畳の街の駅に若干類似している点があります。ココアの様子を見に来たモカが帰る際に見送る場所です(原作ではラビットハウス前で見送りをする)。おそらくモデルとなった駅は他にあるかと思いますが、食べ歩きのついでに建物の様子を見てみると良いと思います。

関連シーン:
▶︎ アニメ2期6羽「木組みの街攻略完了(みっしょんこんぷりーと)」

[アルザス料理店] プティット・ヴニーズ

● Wistub de la Petite Venise
ウィンステュブ・ドゥ・ラ・プティット・ヴニーズ
4 Rue de la Poissonnerie, 68000 Colmar
19:00〜22:00 ほか
休 水曜日

伝統的なアルザス料理やアルザスワインを楽しめるレストランです。シュークルートやミートパイなどの味付けはとても素晴らしく、フォアグラも美味しいです。

コルマールに複数泊するのであれば、ラビットハウスに似たレストランのシャサールとここ、プティット・ヴニーズで食事をとることをおすすめします。

 


[コルマールの名所] プチ・ヴェニス

● La Petite Venise
プチ・ヴェニス
Quai de la Poissonnerie, 68000 Colmar

プチ・ヴェニス La Petit Venise は、運河と木組みの家の組み合わせがメルヘンチックなコルマールらしい場所です。観光客が多く集まる人気のフォトスポットでもあります。

また、この周辺にはプティット・ヴニーズも含めて数件のレストランがあり、美しい景色を眺めながらアルザスの地ビールやアルザスワインとともにゆっくりと流れる時間を楽しむのがおすすめです。

夜にはほのかにライトアップが施され、昼間とはまた違った表情の光景を見ることができます。他にも街中でライトアップされている箇所があるので、コルマールに宿泊する際は夕食をとったあとに散歩をしてみると新しい発見があるかもしれません。夜間の外出についても、基本的には穏やかな街ですので身の危険はほとんど感じませんが、注意は怠らないようにしてください。

[コルマールのシンボル] サンマルタン教会

● Collégiale Saint-Martin de Colmar
サンマルタン教会
Place de la Cathedrale 68000 Colmar

1234 年から 1365 年にかけて建設されたゴシック様式の教会です。
コルマール旧市街はこのサンマルタン教会を囲むようにして街が形成されており、とても目立つ存在です。

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