もくじ
- 【数学編】要点をおさえ、ひたすら演習
- 【数学編】Maximaは心の友!
- 【英語編】その英語学習法で、大丈夫か。
- 【物理学編】物理学の勉強は大変です。
- 【その他】「教えてgoo!」最強伝説
- 【まとめ】おすすめ教材まとめ
【数学編】要点をおさえ、ひたすら演習
編入学試験で必要とされる数学の範囲は、おおまかに言えば「線形代数学」と「微分積分学」です。 筑波大や電通大の受験を考えている方は「複素関数論」。 旧帝大の受験を考えている方は「フーリエ解析」あたりもやっておく必要がありそう。
いずれにせよ、早いところ過去問を手に入れて試験範囲を把握することが大切です。 数学科を受験される方はひとくちに線形代数学といっても、他学部学科より一歩すすんだものが出題されます。
色々な大学の過去問を見てきましたが、数学は設問が似たり寄ったりになる傾向が強いです。 電通大の場合、行列の固有値関連の問題は毎年出題されています。 固有値、固有ベクトル、対角化あたりはスラスラとできるレベルが最終的な目標でしょう。 また、複素関数のローラン展開や留数定理の利用もよく出ています。 それから2変数関数の極地問題あたりや、重積分の問題も少なくともここ5~6年程度は出題されています。
このように、あきらかな傾向がある場合が大多数なため、まず出題されそうな問題形式を理解できるレベルに達しましょう。 これはどういう意味かというと、全く勉強していない状態だと問題がどの分野の知識を問うているのかわからないのです。 まずは各分野の基礎を要点をおさえながら、ひととおり固めます。
その際におすすめな教材は、定番ですが 編入数学徹底研究[必須!]と編入試験問題徹底演習です。 両方ともすべての問題を解きましたが、徹底演習のほうがレベルが高く、解説も雑です。 したがって、まずは教科書片手に、徹底研究を進めていきます。
ベクトル解析、微分方程式、複素関数論、フーリエ解析あたりの理論書(教科書)としておすすめなのは、工学部で学ぶ数学です。 この1冊に前述のすべての解説がコンパクトにまとまっており、かつ分かりやすいです。 個人的に編入試験数学対策にはマストな本だと思います。
きっと、演習を進めていくとつまづく箇所が出てくると思います。 そのようなときは、まず答えを一文字一文字ノートに写していってみてください。 実際に自分の手を使って書くと、案外理解できてしまうことはしばしばあります。 また、それでもダメなときは、印をつけておき、先の問題へ飛びましょう。 少し進んでから、分からなかった問題を眺めてみると意外にすんなり解けてしまうことは多々あります。
なんとかひと通り徹底研究をやり終えたら(1周2~3ヶ月が目安)、次は実践演習です。 徹底研究の章末問題は実際の過去問になっていますので、そこを進めていくのも手です。 また、自分の持っている過去問をひたすら解いていくというのも良いでしょう。 そして、このころになれば徹底演習を解くのに丁度良いレベルになっているでしょう。 特定の分野に不安をかかえている場合は、高専の数学 3 問題集 (第2版)がおすすめです。 解説がウェブ上に転がっていると思いますので、自力でググって探してください。
以上のように、数学に関しては試験範囲となりそうな分野をすべて1度さらいます。 そして基礎が固まったところで、過去問レベルの実践題をバリバリといていきます。 演習量を確保することが非常に重要で、私の場合は数学の演習ノートだけでキャンパスノート12冊分相当の紙を使いました。 恐ろしいほどの資源の無駄遣いです。安易に編入試験を受験するのは控えましょう。
【数学編】 Maximaは心の友!
編入試験の過去問を手に入れたところで、その解答解説は一切ありません。 自分の書いた答案が正しいかどうかわからない状態で問題を解いてもあまり生産性はないでしょう。
そこで活躍するのが計算ソフトMaxima。フリーソフトなのでお金も手間もいらず。 絶対に導入すべきソフトウェアです。 逆行列の導出や微分方程式を解くといったことをやってくれます。 また、固有値や固有ベクトルなどもだせます。 とにかく機能がもりだくさんなのでこいつを相方にして編入数学を乗り越えましょう。
使い方やらなんやらは、ググってみればたくさん出てきますのでやってみるといい。とにかく本当にMaximaさんは心の友です。
【英語編】その英語学習法で、大丈夫か。
某巨大掲示板の編入スレや高専生の編入ブログなんかを見ると、やたらみんなTOEIC対策をしている様子が見られます。 でも、実際の試験問題の傾向とは遠いック。なんでもないです。
個人的な意見ですが、やはり編入英語とTOEICに何ら近いものを感じないんです。 大学受験でもそうなのですが、国公立大英語といえば英作文が特徴なんです! そして、英文和訳!これらに共通しているのは共に、「記述力」が試されるということ。
マーク式のTOEICっぽい問題を頑張っていいスコア取れても、記述できるかは別問題なので、それなりの対策をすべきでしょう。 まずは、英作文対策から。またまた定番なのですが、大矢英作文講義の実況中継(実況中継シリーズ)[必須!]。 これが、実際のところ最強です。読むだけじゃなく自分で例題と問題をとき、かつ本文中の重要ポイントを自分なりにまとめていってみてください。 特に「過去形と過去進行形の違い」や「現在完了形と現在完了進行形の違い」など、あまり文法解説書では取り上げられない事項は素晴らしく参考になります。 英作文の技術と共に、文法の横の関係性についての視点を習得できます。 後半部の自由英作文メゾットも悶え死ぬほど参考になります。 電通大や京工繊大をはじめとした、多くの大学で自由英作文が出題されます。 とにかくこの本は俺ネイティブだしっていう人以外は必須です。買ってください。出来れば上のリンクから。
つーか、作文とか言う前に単語覚えてください。私はアルク信者なのでキクタン買ってください。 キクタンBasic 4000とキクタン Advanced6000。 2冊完璧に覚えること。付属のCDの中毒性はやばい。
文法書は、「表現のための実践ロイヤル英文法[必須!]](https://amzn.to/2I2xOKQ)。 ボロボロになるまで文法用語を引いて、理解すること。 文法演習書は、新・英文法頻出問題演習 (Part1) (駿台受験シリーズ)。 英文解釈は、英文解釈の技術100 新装改訂版 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)[必須!]。本当にここに挙げている英語教材は間違いない。 持ってないんなら、リンクから飛んでポチってください。
英語に関しては大学受験と同じようなレベルだと思います。英語が嫌いでも出題されるんです。 私は死ぬほど英語が嫌い(つーか、英語教師が嫌い)だったのですが、受験を期に無理やり好きになりました。 アレです。告白されたのを期に好きになろうと努力する感じです。よくわかんないけど。 とにかく、高専生は比較的英語が苦手です。 試験終了後、答案回収の際、まわりを見渡すと英作文がまっしろでニヤニヤしました。 あなたもニヤニヤされないように勉強してください。英語を好きになってください。
【物理学編】物理学の勉強は大変です。
物理学は一番勉強法を悩んだ教科です。 一般的には初等力学(解析力学は含まない・要微積)、熱力学、電磁気学、電気回路理論あたりが出題の対象になるようです。 各分野毎の傾向と対策について書いていきますね。
電磁気学に関しては、超オススメテキストがあります。 かつて所属していた東京留年大学電気科の電磁気学講義の教科書に指定されている工科の電磁気学です。 誤植がちらほらあるのが残念ですが、それを除けば編入試験に非常に役に立つ理論書です。 わたしはすべての例題と演習問題を2周こなしました。 9章からなる本なのですが、1~8章までをこなせば編入試験の電磁気学で怖いものはないです。
副教材として、ビジュアルアプローチ電磁気学も手元に置いておきたい1冊です。 大学レベルの教材とは思えない、カラフルさ、わかりやすさ。こちらの演習問題も2周こなしました。 電磁気学で意識したいのはガウスの法則・アンペールの法則を用いる問題です。 これらは非常に出題頻度が高いです。 つっても、本当に基本的な内容なので、ひと通りやったあとで問題解けないようならば、人としてちょっとまずいと思います。
熱力学に関しては物理学講義 熱力学を読み進めていきました。 少しばかり覚えなければならない関係式が多いので、用語の定義などを含め土台からしっかりと固めていってください。 特にカルノーサイクルやエントロピー増大則、熱力学法則に関する問題が頻出です。 問題演習は有名な基礎 物理学演習(共立出版)[必須!]を用いました。 基礎物理学演習はサイエンス社と共立出版の2箇所からでています。内容がそれぞれ異なるので気をつけてください。 ちなみに私はサイエンス社と共立出版のもの、それぞれ持っています。
力学をどうするのか悩みどころですが、個人的には上記の基礎物理学演習(共立出版)が最適だと思います。 よく大学受験用のテキスト(橋本の物理だとか難系)で学習している高専生を見かけますが、どこに目をつけてんだろうね。彼ら。 すいません。ちょっとディスりすぎました。編入の力学は基本的に微積を用いて記述しなけば点数をもらえないでしょう。 しっかりと学部学生向けの問題集をこなしていきましょう。
副教材としてビジュアルアプローチ 力学がおすすめです。 基本的にヴィジュアルアプローチシリーズはわかりやすいです。量子力学編と解析力学編でないかなー。
最後のまとめとして、高専の物理問題集 第3版[必須!]の巻末、編入学試験過去問題集もこなしておきましょう。 あなたが情弱でなければ、ググると解答解説が見つかるはずです。
【その他】「教えてgoo!」最強伝説
わからんことは、教えてgoo!に投稿せよ。 奴らヒマなので素敵な回答を迅速にくれますよ。 特に過去問でわからない問題等。問題文の一部でググると案外、その問題に対する教えてgoo!の質問が見つかったり。
とにかく教訓は、わからんことは教えてgoo!へ。ホントあのサイトには助けられた。ありがとう。
【まとめ】おすすめ教材まとめ
各教科分野ごとにおすすめ教材とその手順をまとめておきます。 これを参考に実際に本を手に取り、自分なりの学習を行ってください。
【数学】
- 基礎固め:編入数学徹底研究(例題+類題)
- 苦手分野演習:高専の数学問題集3 or 編入数学徹底研究該当部
- 実戦演習:編入数学徹底演習 and 入手した過去問
【英語】
英単語・英文解釈(同時進行):キクタンBasic and 英文解釈100の技術
英単語・英文法演習(同時進行):キクタンAdvanced and 新・英文法頻出問題演習
英作文対策:大矢・英作文の実況中継
読解問題対策:過去問 or センター試験問題等 量を読み込む。
【物理学】
- 電磁気学:工科の電磁気学2周→ビジュアルアプローチ電磁気学例題・演習問題
- 熱力学:物理学講義熱力学演習問題→基礎物理学演習(共立)
- 力学:ビジュアルアプローチ力学→基礎物演(サイエンス社)→基礎物演(共立)
- 電気回路:工科の電磁気学・該当分野→基礎物理学演習(共立・サイエンス)
- 物理学総まとめ:基礎物理学演習(共立)の各分野問題 and 高専の物理問題集過去問集・過去問演習
- 物理学やる前に、2階微分方程式の解法をマスターしておくとスムーズにすすむ。特に電気回路や力学。